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シングル屋根の雨漏りの原因は下地のクラックだった 堺市北区

2016.08.08

シングル屋根の雨漏りの原因は下地のクラックだった 堺市北区
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シングル材の下に雨漏り原因の多数のクラックを発見

前回の「ハイツ屋上からの雨漏りを補修で止めてほしい!堺市北区ハイツA」で、ご紹介させていただいたのですが、そこではオーナー様より簡単な補修を一度試してほしいという事で補修をさせて頂いたのですが、想定通り雨漏りは止まりませんでした。

そして、雨漏りを止める為に今回は、下地からシッカリと直していこうという事で、屋根のシングル材を捲り、ここで雨漏り原因が分かりました。

※この写真は、クラックをシーリング補修した後の写真です。(灰色がシーリング)

一見しただけで分かるように、シーリング補修を行わないといけないぐらいに大きめのクラックが多数ありました。

これだけのクラックがあると、さすがに雨漏りしてしまいます。

屋根の塗装で防水はできない

ここで気になったかと思うのですが、屋根の塗装をすれば雨漏りが止まるんじゃないの?と思った方もいるかもしれないので、簡単にご説明をさせていただきます。

このシングル材だけでなくカラーベストもそうなのですが、材料自体が痛んできていると、どれだけ塗装を行ったとしても割れやすくなったり、ひび割れが広がったりします。

ここで大切なのは、割れの広がりに合わせて塗装では追従しきれないという事です。

また、屋根というのは、微妙な隙間から水が入ることもあります。
そのために、屋根材の下には防水シートを敷いているのですが、この防水シートが痛んでいる場合も当然ながらシングル材に破損がある無いに関係なく、屋根下地に水が到達して染み出てしまったりします。

だからこそ、屋根表面で止めようという塗装だけでは、雨漏りが止まらないことも多いのです。

ただし、雨漏りの種類にもよります。

桁側に大きな破損があり内部から補修

シングル材を捲ると、桁側の端のコンクリートに大きなひび割れがあり、クラックというよりは欠けと言った方が良い程の破損度合でした。

更にこの部分は深くまで割れているので表面的な補修ではなく、内部から補修をする必要があります。

よって、エポキシ樹脂を注射器で1日かけて注入する補修方法をとる事にしました。

これで内部の剥離部分などを埋める事ができます。

クラックによる雨漏りの再発防止にポリマーセメント防水塗装

先ほど見て頂いた屋根下地のクラックはシーリングだけで止める事もできますが、これだけクラックがある箇所だと、また更に別のクラックができる可能性があるので、今後の対策もかねてポリマーセメント防水を施すことにしました。

ポリマーセメント防水は、ウレタン塗膜防水などに比べると乾くのが早いのが特徴で、工事中に雨が急に降っても大丈夫です。

そして更に、少し下地にクラックができた程度だと塗膜面が追従してくれるので、塗装面まで割れるのを防いでくれます。

これが非常に重要な役割で、シングル材の割れ低減にも繋がります。

だからこそ、クラックなどによる雨漏りの再発を防ぐ為にポリマーセメント防水を施しました。

 完璧に下階天井の雨漏りが止まった

エポキシ樹脂による桁の補修と屋根下地のクラック補修、ポリマーセメント防水塗装の3つを行ってから、散水検査を行いました。

このように2時間ほど水を流し続けて、雨が降っているような状況をつくりだして、雨漏りしていた下の階の天井から再度雨漏りしていないかの確認を行いました。

実際に雨漏りしていた箇所を見てみても、水が漏れていない事が確認できました。

※白い跡は長い期間、雨漏りしていた際に付いた跡です。

先ずこれで雨漏りを止める目的は完了です。

この後はシングル屋根の葺き替え工程になるのですが、先ず今回の雨漏り修理工程をご覧頂ければと思います。


基本情報

費用
3日間(期間:1週間くらい)

施工内容

  1. 屋根のシングル捲り
  2. 軒先の大きな破損にエポキシ樹脂注入して内側から補修
  3. クラックをシーリング補修
  4. ポリマーセメント防水塗装
  5. 散水検査(雨漏りが止まってるのを確認)

シングル屋根の雨漏り修理の流れ

先ずこのようにシングル材をバールみたいなものを入れて捲っていきます。

手も使って、下地を傷めないように丁寧に剥がしていきます。

これはある程度捲った状態です。

シングル材の下には防水シートが貼ってあります。

カッターナイフとバールを使って、クギをキレイに抜きながら防水シートを剥がしている状態です。

防水シートを剥がした状態です。

屋根下地のクラックや破損箇所に、シーリング補修を施しました。

これはエポキシ樹脂の注射器をセットするための、座金とシーリングを付けた後です。

このシーリングと座金は、エポキシ樹脂を外した後でキレイに剥がれるようになっています。

エポキシ樹脂入りの注射器をセットした状態です。

これはエポキシ樹脂の注入時の様子です。

この状態で一晩放置して翌朝に注射器を外します。

エポキシ樹脂注入時に利用していた剥離シーリングを外した後、補修用のシーリング材を充填しました。

ここからポリマーセメント防水を施します。

写真右側にまだシングル材が残っているのが見えると思いますが、これは理由があります。

屋根を捲って下地を全て出してしまった後ですぐに雨が降ってしまうと、雨漏りをしてしまい、更には下地が乾くまで防水塗装を施せなくなります。

その為、捲っては塗る。捲っては塗る。というように順々に防水塗装を行っています。

これでポリマーセメント防水の完了です。

そしてここから、雨漏りが止まったかどうかの検査です。

 

ここから散水検査の開始です。

屋根全体に2時間これでもかというぐらいにかけ続けて、雨漏りが無いか検査します。

雨漏りしていた箇所を全て確認して、雨漏りが止まった事を確認しました。

また雨漏りしていた箇所は破損していたので、樹脂モルタルで補修を施しました。

樹脂モルタルの補修箇所2です。

樹脂モルタルで補修をした箇所は、現状の塗料の色に合わせて塗装をしておきました。
これで見栄えも良くなりました。

ヤマナミから一言

今回の雨漏りは確実に止まる雨漏りでした。

その理由は、明らかに雨漏りの原因箇所が屋根の部分だったので、下地からやり直せば止まることは確実でした。

今回の様に単純な補修を行っただけで止まらない雨漏りは多数あります。

しかし、いきなり屋根を捲るとなると費用もそれなりに掛かるので、なかなか決断できないかと思います。

だからこそ、屋根からの雨漏りでお困りの方は、築年数や雨漏りの状態、現在の屋根材や防水の状態をシッカリと見たうえで、最適な提案をしてくれる防水専門業者に頂く事をお勧めいたします。

大阪府堺市で止まらない雨漏りでお悩みの方は、防水市場にお気軽にご相談くださいませ。