では以下で、今回の工事の流れを説明していきます。
塔屋で劣化が激しかったのは、開口部のフチです。
タラップから上がってきて、塔屋に入る部分なのですが、かつて鉄製の扉があった(劣化のため撤去)部分にサビがまわり、ブロックが膨張していました。
このボロボロになっている部分から、水が入ってきそうなので、補修を行います。
劣化している部分を削ってから、樹脂モルタルを使い、補修しました。
排水口の隙間を防水テープで覆っても雨漏りが止まらなかったということは、塔屋の屋上から下まで下りてくる配管が、ダメになっているのかもしれません。
そこで、配管の代わりに水の通り道となる、ジャバラホース付きの改修ドレーンを、取り付けることにします。
改修ドレーンの周りへは、ウレタン樹脂材を塗り、防水性を高めています。
塔屋の陸屋根から、屋上までは5~6mの高さがあります。それほど長いジャバラホース付きの改修ドレーンは既製品に無いので、今回は特注しました。
塔屋の機械室に入ります。
塔屋の陸屋根から下りてきている配管の様子が見たいですが、ブロックで閉じられていました。
ジャバラホースを貫通させる必要もあるため、目視・作業できるように、ブロックを一部削り取ります。
2つぶんブロックを開けました。
もちろんここから全部の配管の状態を確認できるわけではないですが、見える範囲では、鉄のアンクルが錆びていたり、配管の表面に若干水滴が付着していたりと、湿気を受けていることは観察できました。
ただ、思っているほどボロボロではなかったです。総取り替えの必要は、今の所はないと判断しました。
ジャバラホースを貫通させるため、一部だけ配管を新設する必要がありました。
写真は、カットした既存の配管です。
ジャバラホースを中に通した、新しい配管を設置しました。
外に出ている配管を開けて、ジャバラホースの貫通を確認します。
削った面はモルタルで補修していますが、今後のメンテナンスのために、ブロックを開けた部分はそのまま開けてあります。
部分補修工事は、これで完了です。あとは雨漏りがどうなるか、ちょっと様子を見てもらうこととしました。
その後、管理会社様から、「雨の日にも雨漏りはしなくなった!」とご連絡をいただきました。
実際に見てみて、ボロボロではなかったものの、配管がやっぱり原因だったのかなと思います。
今後のメンテナンスは、塔屋・陸屋根の防水工事を全体的にやり替えたり、配管を総替えしたりすると、安心です。
「マンションでどこからか雨漏りがしている、どこからか分からないけど直してほしい」とお悩みでしたら、『ヤマナミ』にご相談ください。