では、以下で今回の工事の流れを、写真付きで詳しく説明していきます。
今回、補修や塗装を行う範囲へ、部分的に足場を組み立てました。
上から見ると、「L字」になっているような感じです。
外壁に発生しているクラックです。
そのクラックをV字型にハツり、いったん溝の幅を広げます。
後述する、樹脂モルタル補修のためです。
ちなみに今回のマンションは、下階よりも上階が後退している「セットバック構造」で建っており、そのセットバック上階において、より多くのクラックが発生していました。
セットバック上階の外壁は、上の写真のように“斜め”になっていて、雨が伝う表面積が広いために、劣化がより進んでしまったようです。
ハツリ調整済のクラック部へ、丁寧に樹脂モルタルを刷り込んでいきます。
狭すぎる幅ではモルタルがうまく入らないので、先にV字型にハツリを行ったのは、このためでした。
「雨漏りを改善する」という観点では、こうした下地の補修が特に大事!
雨漏りの早期再発を防ぐために、丁寧に仕上げていきます。
続いて下地の補修を行うのは、1階外壁のタイル部分です。
タイル材がかなり古びており、目地1つ1つからの漏水リスクは、もうほとんど避けられません。
そこで、今回の補修では目地を詰め、“ほぼフラットに”調整することにしました。
デザインの切り替えは、塗料の色で再現すれば、以前との違和感は少なくできます。
古くなった、サッシのシーリングの打ち替えを行いました。
シーリングについてはサッシの他にも、ALC外壁の目地へも打ち増しを行っています。
「プライマー材を塗布」⇒「シーリング材を充填」の順で補修し、目地からの漏水も防いでいきます。
クラックへの樹脂モルタル補修や、サッシのシーリング打ち替えなど、“雨漏り・漏水を止めるための工程”が全て済んだら、外壁塗装のための洗浄を行いました。
当然と言えば当然ですが、雨漏りしていそうな箇所を先に止めてから洗浄しないと、洗浄の“せいで”雨漏りが発生してしまいます……!
工事の内容によって、洗浄をするタイミングも様々というわけです。
洗浄完了後、まずは補修した箇所を重点的に、下地材の塗布を行いました。
使用した材料は、塗膜に弾性・伸縮性を持たすことができる、「微弾性フィラー」です。
補修箇所へ塗る微弾性フィラーは、あまり薄めず(ほぼ原液です)、しっかり厚みを持たせて塗ります。
しっかり厚みを持たせることで、補修の跡が分かりづらくなり、塗装完了後の見栄えが良くなります。
補修箇所への重点的な塗装が完了したら、補修箇所も含めた、施工範囲全体への通常塗装を行います。
先ほどより薄めの微弾性フィラーを下塗り材に、水性シリコン塗料を中塗り材・上塗り材に採用し、ローラーなどでムラなく塗布しました。
中塗りの工程の様子です。
最後に、上塗りの工程の様子です。
上塗り材の塗布が終わったら、今回の外壁(一部)補修工事は無事に完了です!
雨漏りだけでなく、美観も気になったマンションの外壁ですが、工事により無事綺麗になりました。
後にお客様にマンションの様子をうかがったところ、「雨漏りは起きていません!」と仰られたので、ひと安心です。
クラックへの追従性が高い下地材を使用しているので、耐用年数のうちは、新たなクラック(=雨漏りの原因)も発生しにくいと思います!
大阪のマンションで雨漏りしている時は『ヤマナミ』にお問い合わせください!