では、以下で今回のシーリング補修工事の流れを、写真付きで説明していきます。
今回シーリング補修を行う、家の南西面の前には、高所作業車を停めるスペースが十分にあり、他の車の通行の妨げにもなりませんでした。
ちなみに、南西面のシーリングだけが傷んでいたのは、南西は直射日光が当たりやすい方角であり、シーリングは直射日光を多く受けると劣化が進むからです。
シーリングの経過年数は15年程と、結構経っていましたが、南西面以外は割と綺麗な状態でした。
サイディングボードの継ぎ目のシーリングは、側面のみに接着させて、底面には接着させない「2面接着」というやり方が一般的です。(2面接着は、建物の揺れに対応しやすい、シーリングの接着方法となります。)
継ぎ目の底面にはフィルムがはってあるので、シーリングは接着していません。
つまり側面に沿って、綺麗にカッターを入れれば、写真のようにするりとシーリングは剥がせます。(シーリングの硬化状態にもよります)
サイディングボードに余分な材料が付かないようテープ養生をしてから、シーリングを取った溝に、丁寧にシーリング材を塗布しました。
プライマー材の塗布後、溝に沿って新しいシーリング材を、充填していきます。
ヘラを使い、シーリングを平滑に馴染ませます。
当たり前ですがヘラは硬いので、面にはわせると、“カタカタ”と動きます。
この微細な振動を受けると、均しているつもりなのに、シーリングの仕上がりはガタガタになってしまいます。
そこでヘラには、あらかじめ「仕上げバッカー材」という、ゴム質の特殊な素材を貼り付けてあります。この柔らかいヘラを使って、シーリングを綺麗に仕上げていくのです。
サイディングボードの継ぎ目の、シーリングの打ち替えが完了しました。
今回、打ち替えをしたシーリングの長さは、次に説明する窓サッシ廻りなどと合わせて、約90mです。
合計4つの窓と換気口、シャッターの廻りに施工されていたシーリングも、ボード継ぎ目のシーリングと同様に打ち替えていきます。
シーリングが仕上がった、窓サッシ廻りの状態です。
今回のシーリング補修工事は、この工程で完了しました!
さて、こちらは高所作業車の上で作業中の様子。
作業員本人が落ちないように気を付けるのはもちろん、どんな小さい道具も下に落とさないよう、細心の注意を払います。
また、シーリングのように柔らかい素材は、風が吹くと散りやすいです。足場、およびシートがあれば飛散は防げますが、今回の工事ではそれがありません。
シーリングが風で飛び散らないよう、出し方・量には気を付け、下を通る人がいれば作業を一旦止めることで、対処しました。
シーリングの補修工事について、お客様は事前に情報収集をしっかりされていたそうですが、「期待通りに綺麗に仕上がってよかった!」と安心してくださいました。
サイディングボードから浮かないよう、シーリングの色選びにもこだわったのですが、その点にもご満足いただけたようです。
足場は、一面組むだけでも10万円くらいはかかります。むろん二面⇒三面⇒四面(一周)……となると、もっとです。
ただ今回のように、高所作業車を使用できる条件が揃った、部分的な補修工事の場合では、足場を組まずに作業して予算を抑えることが可能です。
補修の“質”を落とさずに、予算を抑える工夫ができるかもしれませんので、「(良い工事もしてほしいけど)予算が気になる」という人は、遠慮せず相談してみるといいと思います。