それでは、今回のFRP防水工事(通気緩衝工法)の施工内容をご紹介します。
ちなみに、施工面積は約45㎡です。
まずは、既存のFRP防水層をすべて剥がしました。
こちらは、既存の目地材の様子。
1つ前に他社で行われた防水工事において、おそらく劣化した目地材の処理を行わずにそのまま防水層を作ったものと考えられます。
そのせいで、防水層にすき間ができやすくなり、劣化する程度が大きくなったのかもしれません。
今回私たちが防水工事をするにあたっては、既存の目地材を綺麗に撤去しました。
撤去した後の溝に、新しいシーリング材を充填しました。
防水層の下地である、プライマー材を全体に塗布しました。
この現場に限ったことではありませんが、ムラがないよう、均一に塗ることを心がけています。
いくつかある室外機は、塗布の妨げになるので、手すりに固定して浮かせています。
FRP防水層を割れにくくするための、通気緩衝シートを一面にはっていきます。
架台は上げられないので、シートを適宜カットし、ギリギリまで綺麗にはることで対応しました。
通気緩衝シートの上から、ローラーで再度プライマーを塗布しました。
FRP防水材(樹脂)を塗布した後、ガラスマットをはりつけて、防水材の樹脂を浸透させました。
この際、気泡が絶対に入ってしまうので、脱泡ローラーという専用の道具を使い、丁寧に気泡を処理します。
(そのままFRP防水材の2層目を塗布すると、仕上がりがぼこぼこになってしまいます。)
ガラスマットの硬化後は、やすりを使って表面を研磨し、次の防水材がムラなく密着するようにします。
さらに、FRP防水材を重ねていきます。
最後、トップ材をローラーで均一に塗れば、FRP防水工事(通気緩衝工法)の工事は完了です。
お客様は、施工現場のビルから近くにお住まいのようで、「どんなふうに工事をしていくのかな?」と、進捗の様子を時々ご覧になられていました。
「こんなふうにするのか!」と、新鮮に感じることも多かったようです。
工事完了後、お客様からは「仕上がりが綺麗!それに通気緩衝シートをはったので、急にひどく膨れたり割れたりすることはないと聞いて、安心です」という旨のコメントをいただいております。
今回、工事を行ったビルのように、揺れやすい高さ(目安3階建て以上)で、揺れやすい造り(鉄骨造や木造など)の場合、通常のFRP防水ではなく、通気緩衝工法をとったFRP防水工事が望ましいことがあります。
また、現状水漏れなどのトラブルがないとしても、その状態の維持のために、早めに防水のやり替えをすることをご検討ください!