それでは、今回の作業内容を紹介します。
まず始めに、大きくひび割れている箇所に樹脂パテを塗り、ひび割れを埋めていきます。
今回、より防水性を高めるために樹脂製のパテを使用しました。
続いて、プライマーの塗布を行っていくのですが、その前工程として研磨作業を行っています。
これは、あえて表面に傷をつけることでプライマーの密着性を高めるためのもので、「足付け作業」とも呼ばれています。
プライマーの塗布が終わったら、FRP防水塗装の1層目を塗布していきます。
FRP防水塗装は、防水塗装の中でもかなり耐久性の高い塗装です。
湿気のこもりやすいお風呂場の塗装でよく使われる塗装方法なのですが、バルコニー床の塗装や貯水槽、プールの塗装などにも使われます。
メンテナンスをしっかり行った場合の耐用年数は20年以上にもなり、最強の防水塗装であるとも言われています。
FRP防水塗装の1層目が終わったら、防水用ガラスマットを貼ります。
防水層を形成するために、ガラスマットを使用することもFRP防水の大きな特徴です。
ガラスマットを貼った後は、脱泡処理を行っていきます。
ガラスマットの下に気泡が入ったままになっていると、気泡が熱によって膨張し、少しの負荷でひび割れてしまう可能性があるからです。
ローラーを用いて、丁寧に気泡を取り除いていきました。
脱泡処理の後は、FRP防水塗装の2層目の塗布を行います。
この工程でFRP防水塗装の「防水層」が完成しました。
防水層を乾燥させた後は、トップコートの密着性を高め、表面を平坦化するための研磨処理を行います。
トップコートが剥がれると、耐用年数が低下してしまうため、細かい部分までしっかりと研磨しました。
最後に、トップコートを塗布します。
これによって紫外線や湿気による、防水層の劣化を防ぎます。
作業後、ご依頼主様に確認していただきましたところ「水漏れが止まってよかったです」と、大変満足されているご様子でした。
長年メンテナンスされていないとのことで、ほかの部分でも今後ひび割れが起こる可能性があることを説明し、別箇所での破損が見つかれば、その都度防水工事を行っていくという形になりました。
アパートやマンションの場合、浴室の全改修となると下の階や隣のお部屋の工事も必要になってくることが多いです。
建材まで影響が及んでしまうと建物自体の改修を行う必要が出てきます。
そのため、最悪のケースになってしまう前に、一度塗装などのメンテナンスをされることをオススメします。