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施工前 | 施工後 |
屋上の防水工事にあたり雨漏りしている塔屋周辺も防水補修したい大阪市城東区のI様邸で、屋上全体の防水工事を行なったなか、塔屋の防水工事の内容をピックアップしました。 I様邸の屋上床防水などの施工内容はこちら I様邸は鉄骨3階建で築20年ほど。 屋上床と同様に、屋上に続く階段室のある塔屋も経年劣化が始まっており、内部の壁や天井のほか、建物との境界部分から階下の3階に雨漏りしていました。 外壁にはクラックができ、扉の設置部分の周囲に隙間もできており、屋上部分は水が染み込みやすいモルタルがむき出しのままで、笠木の劣化もひどい状態でした。 今回は、外壁のクラック補修・シーリング補修と併せて塔屋部分の屋上防水を行いました。 防水の種類は、床部分と同じメッシュクロス工法によるウレタン塗膜防水です。 防水材の中にメッシュクロスという不織布の層を挟み込むことで、防水の強度を高め、揺れなどよる劣化を防ぐことができます。 隣に全く同じ形の家があり、隙間が10cmほどしかなかったのでこの面だけは補修できないことをご了承いただきました。 | |
費用:約30万円 塔屋壁約20㎡ 塔屋陸屋根約5㎡ 工期:約6日間 約8人工 |
1.扉周りのシーリング |
今回の工事について紹介します。
扉周りにはもともとシーリングがなくモルタルで処理されていましたが、割れて隙間ができている状態でした。
隙間にウレタン製のシーリング材を充填して、表面を整えました。
ウレタン製のシーリング材は硬化後の弾力が少なく硬いので、上に塗装をする際に相性がいいシーリング材です。
扉や、電灯、換気口などが汚れないようにビニールやテープで養生しました。
微弾性フィラーという外壁塗装の下塗り材を塗布しました。
この下塗り材は、クラックや塗装の劣化を防ぐ働きがあります。
外壁の上塗り材である水性シリコン塗料を塗布します。
ご希望のあった淡いベージュ色をご用意し、ムラなくローラーで塗って行きました。
塗装に厚みをつけて、強度を高め、塗りムラなどをさらに目立たなくするため2度塗りします。
塗料は乾くと色が変わるので、まだ塗っていないところと重ね塗りしたところがはっきりわかります。
モルタルむき出しになっていた塔屋の屋上を清掃します。
防水の邪魔になる、細かいチリなどのゴミを取り除きました。
排水口周辺も傷んでいたので改修ドレーン(排水溝専用の補修器具)を設置しました。
ウレタン塗膜防水用のプライマー材を塗布しました。
プライマー材は、床面と防水の接着をよくする下地材の働きをします。
ウレタン防水材を塗布していきます。
今回はメッシュクロス方法なので、専用の不織布シートに液を染み込ませて貼りながら、ローラーで塗布して行きます。
1層目が乾いたのち、厚みと強度を出すために重ね塗りします。
防水の表面を保護するためのトップコート材を塗布します。
防水と並行して笠木(手すりのような部分)周りの補修を行いました。
まずは、水が入りやすいビス頭やジョイント部分にウレタン製のシーリングを施しました。
笠木に錆止め材を塗布します。
錆止め材は赤と白があり、赤の方が効果が強いですが、上に塗る塗料によっては透けて見えてしまいます。
今回は上に黒い塗料を塗る予定で、下地が目立ちませんので、効果の強い赤の錆止め材を使用しました。
笠木の表面にウレタン塗料を塗布して作業は完了です。
屋上と塔屋の補修工事が完了し、後日、雨漏りは止まったとのご報告をいただきました。
同じ形の隣の家と比べていただくと、補修前はかなり傷んでいたことがわかるかと思います。(工事前は同じような状態でした)
屋上に設置された塔屋は、雨風に晒されやすく、劣化すると雨漏りの原因になりやすいです。
「こんな小さい小屋みたいなところ放っておいても大丈夫だろう」と思わず、クラックやシーリングの開きなどがあれば早めに相談されたほうが良いでしょう。
また、屋上防水をやり替える際は、同時に塔屋の点検も行うことをおすすめします。