今回の工事の工程を紹介します。
室内を通って作業するので、浴室までの床にシート養生を行いました。
浴槽の表面を研磨処理します。
研磨といっても磨くのではなく、紙やすりやサンダーなどで細かい傷をつけて、防水の接着性を高めます。
ツルツルのままだど、新しく防水しても剥がれやすいからです。
浴室内のタイル面や蛇口など浴槽以外の部分が汚れないように、養生を行います。
浴槽の割れた部分にFRPパテ処理を行い塞ぎました。
FRP防水を行うにあたり、隅部分にシーリング処理を行いました。
目地の開きを埋めるだけでなく、角をなくしてなだらかにしておくことでFRPの接着を良くするためです。
防水の接着を良くするために、プライマー材と呼ばれる下地材を塗布しました。
浴槽の表面にFRP防水層を形成します。
ガラス繊維のマットにFRP樹脂を染み込ませ貼り付けていきました。
小さな浴槽にフィットするようにマットをカットして、表面がなだらかになるように貼り付けていきます。
中に気泡が入ると劣化しやすくなるので専用のローラーで脱泡処理を行いました。
FRPは先述の通り非常に強いニオイがあり、長時間吸い込むと有害ですので、防毒マスクをつけ、換気を行い、適宜休憩を挟みながら作業を行いました。
防水の強度を高めるため、FRP樹脂を重ね塗りします。
工事でできた浴槽表面の凸凹をなくすために、ヤスリやサンダーで削って平滑にします。
防水表面を保護するためのトップコート材を塗布して工事は完了です。
工事後の浴槽を見た入居者様は「思ったよりしっかり工事してもらえてよかったです」とお喜びでした。
また、後日、水漏れが止まったとのご報告をいただいたほか、同様の水漏れでお困りのほかの居室の浴槽工事も行うことになりました。
築30年を超えるアパートやハイツなどの浴槽は、経年劣化で割れて階下に水漏れすることがしばしばあります。
そういった際は、放置せず早めに補修されることがおすすめです。