工事の際は、外からハシゴでベランダに入らせていただくことになりました。
また、T様には工事前に、ベランダに置いている植木鉢などを移動していただくようお願いしました。
傷んだ防水層を捲って撤去していきます。
カッターなどで切り込みを入れ、捲れる部分は手で剥がし、硬い部分はスクレーパーやグラインダーなどの道具を使って剥がしました。
剥がしてから分かりましたが、もともとはゴムシート防水だったところを剥がしてFRPにしたとみられました。
赤い下地の色が部分的に濃く変色しているのは水がしみこんで濡れているからです。
下地の表面に研摩処理を施し、ザラザラに仕上げます。
というのも、下地はゴムシート防水を剥がしたときの状態そのままで、表面がツルツルの部分が多くありました。
表面がツルツルだと、新しい防水の接着が悪くなるので、表面に細かい傷をたくさんつけてザラザラにし、接着性を高めます。
ザラザラにした下地表面に、防水用のプライマー材を塗布し、さらに防水の接着性を高めておきました。
直角になっている隅部は、FRP防水が浮きやすいので、角をなくすようにシーリング材で処理を行います。
FRP防水と相性のいいアクリル系のシーリング材で、四方の辺のほか溝の内側などにも処理を施しました。
FRP防水用のガラスマットにFRP樹脂を染み込ませて貼り付けていきます。
隅部や立ち上がり部分はマットをカットして形を合わせます。
FRP樹脂とガラスマットに入り込んだ気泡をローラーを使って押し出す処理をしました。
気泡が入っていると熱膨張による劣化や浸水のリスクが増しますので、施工の段階でできるだけ抜いておく必要があります。
FRP樹脂を重ね塗りして防水層に厚みを出します。
この重ね塗り用の樹脂にはトナーと呼ばれる顔料が含まれており、仕上がりをきれいに見せる効果があります。
立ち上がり部分の、防水面とベランダ手すりの境界にシール処理を行いました。
こちらは以前の施工が甘かった部分でしたので、しっかりと隙間がないように工事を行いました。
最後に、表面にトップコート材を塗布しました。FRPは紫外線で劣化しやすいので、表面を日光から守るためのトップコートが必要となります。
T様は「キレイになりましたね。前よりきちんと工事をやってもらえてよかったです。」とお喜びでした。
今回の現場のように、FRP防水は隙間などから一旦水が入ってしまうと、すぐに劣化してしまいます。
防水が破れたときや、つなぎ目に隙間ができているときのほか、工事を行った後に怪しいと感じられた場合は、なるべくほかの防水業者に一度点検してもらうことがおすすめです。
大阪府堺市西区でFRP防水が劣化してお困りの際はヤマナミにご相談ください