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ルーフバルコニーの捲れた塩ビシート防水を交換工事 八尾市

2017.07.31

ルーフバルコニーの捲れた塩ビシート防水を交換工事 八尾市
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八尾市にお住まいのO様から「家のルーフバルコニーの防水がボロボロになっているのでやり替えて欲しい」とご依頼いただきました。

O様邸はかなり昔からある立派な日本家屋で、今回工事を行うことになった、ルーフバルコニーは35年ほど前に増築された部分でした。

増築当時は、床面のモルタルの上にアスファルト防水が施されていましたが、劣化してきたため20年ほど前に一度塩ビシート防水工事を行なったそうです。

 

耐用年数を超えた塩ビシートがボロボロになり捲れて雨漏りもあった

塩ビシートの耐用年数は一般的に10~13年ほどです。20年も経つと塩ビシートはボロボロになります。

今回のルーフバルコニーでも捲れが起きていたほか、縮んで固くなったシートに引っ張られて立ち上がり部分の鉄板が歪んでいました。

さらに、めくれた部分のドレン周りから水がしみこみ、階下に雨漏りしていたそうです。

ドレンには劣化したアスファルトのかけらが詰まり、水が溜まりやすくなっていたので、モルタル面からの浸水を助長していたと考えられます。

劣化がひどかった理由は、耐用年数をはるかに超えていたことのほか、施工方法が、下に合ったアスファルト防水に塩ビシートをボンドで貼り付けただけだったことも挙げられます。

 交換は同じ塩ビシート防水で色はグレーをご希望

O様は塩ビシート防水を気に入っておられたため、また同じ塩ビシート防水を行なうことになりました。色はグレーを選ばれました。

この場所では一般的には比較的安価に工事ができるウレタン塗膜防水での改修も可能でした。

しかし、以前のアスファルト防水の捲り作業や下地調整などが必要で余分にコストがかかるため、塩ビシート防水とあまり料金が変わりませんでした。

念の為ウレタン塗膜防水のこともお伝えしましたが、O様はやはり塩ビシートを選ばれました。

今回は、既存防水を撤去した後、熱でシートをしっかり固定する機械工程工法で塩ビシート防水工事を行ないました。

基本情報

費用
約40万円
工期
約8日間 約12人

施工内容

  1. 既存防水層捲り
  2. 床部への絶縁シート貼り
  3. 機械固定工法用ディスク取付け
  4. 端部への鋼板取付け
  5. 排水口へのドレン取付け
  6. 塩ビシート端部を溶着材で接着
  7. ディスクとシートをiHヒーターで接着
  8. 出隅部へのパッチ処理
  9. 入隅部へのパッチ溶接
  10. シートジョイント部に専用シーリング処理
  11. 立ち上げ取り合い部にシーリング処理

ルーフバルコニーの塩ビシート防水の交換工程

1.既存防水層捲り

 

まず、塩ビシートの端部を固定していた鉄板のビスを外し、シートを捲ります。かなり剥がれて浮いていたので簡単にはがすことが出来ました。

次に、塩ビシートの前に施工されていたアスファルト防水を捲ります。スクレーパーなどで下地のモルタルからこそげていきます。

写真中央扉の前の黒い塊は、アスファルト防水を剥がしたくずを袋に入れたものです。白い土嚢袋が、アスファルトの色で黒くなっています。

最後に箒でチリを掃除します。

 

2.床部への絶縁シート貼り

 

床部に絶縁シートをボンドで貼り付けます。絶縁シートは防水面の上と下を隔てるもので、下地のモルタルや残っているアスファルトの成分などが塩ビシートに移らないようにする働きがあります。

相性の悪い既存の成分との化学反応で、塩ビシートが変色したり劣化したりすることを防ぎます。

シートのジョイント部には専用のテープを貼り付けます。

 

3.機械固定工法用ディスク取付け

 

床面に30cm間隔で鋼板のディスクをビスで取り付けます。

このディスクに後ほど塩ビシートを固定します。

 

4.端部への鋼板取付け

 

ルーフバルコニー端部に鋼板をビスで取り付けていきます。

この鋼板は塩ビシートの端部を固定する時に使用します。

 

5.排水口へのドレン取付け

 

排水口に塩ビ製の改修ドレンを取り付けました。丸い接着面を立ち上がり部分に合わせてカットしてライスターと呼ばれる熱風溶着機で接着します。

 

6.塩ビシート端部を溶着材で接着

 

塩ビシートの端部をルーフバルコニー端部に取り付けた鋼板に取り付けます。

溶着剤という液をシートに塗り溶けた部分を鋼板に貼り付け接着します。

立ち上がり部分も同様にシートを溶着します。

 

7.ディスクとシートをiHヒーターで接着

 

床面のシートはディスク部を専用のiHヒーターで加熱し溶かして接着します。

 

8.出隅部へのパッチ処理

 

立ち上がりの角の凸部分に専用の丸い立体的な塩ビシートでパッチ処理を行ないます。

このパッチ用のシートはライスターの熱風で溶着します。

このような角部分は水が溜まりやすく劣化しやすいのでしっかりと防水を行なう必要があります。

 

9.入隅部へのパッチ溶接

 

立ち上がりの角の凹部分にも同様にパッチ処理を行ないます。

 

10.シートジョイント部に専用シーリング処理

 

パッチ処理部のほか、シート同士のつなぎ目、立ち上がり部分シートのつなぎ目などに塩ビシート用のシール液で水が入らないようにしっかりとシーリング処理を行ないます。

 

11.立ち上げ取り合い部にシーリング処理

 

立ち上がり部分のシートと壁の隙間には変性シリコンでシーリング処理を行ないました。

既存シートの張力で歪んだ鉄板は元に戻し、塩ビシートの端部を覆うようにビスで止め、作業は終了しました。

 

長持ちする機械固定工法の塩ビシート防水で屋上がきれいになり雨漏りも解消

今回行った機械固定工法は塩ビシートと床面に固定した鋼板ディスクを熱で接着する防水です。

ボンドなどの接着剤でつけるのではなく、床面と塩ビシートの間に適度に空間が出来るので下地を問いませんし、通気性もよいため長持ちします。

屋上は立ち上がり部分の構造が複雑でしたので端部の処理やシーリング処理を念入りに行ないました。

O様もご希望の塩ビシート防水ができ、「キレイになってよかった!」と嬉しそうなご様子でした。

塩ビシート防水が捲れてきた場合は、捲れた部分を重石で止めるか、ビニールシートで覆うなどして、できるだけモルタル面が水にさらされない状態にしておき、速やかに防水業者にご連絡されることをおすすめします。

 

八尾市のルーフバルコニーの塩ビシートの交換ならはヤマナミへ